
UbuntuデスクトップをmacOS風にカスタマイズする完全ガイド【2024年版・Ubuntu 24.04 LTS対応】
Ubuntuを使い始めて「macOSのような洗練されたデザインにしたい」と思ったことはないでしょうか。Ubuntu 24.04 LTS(Noble Numbat)では、GNOMEデスクトップ環境の柔軟なカスタマイズ機能を活用することで、macOSに非常に近い見た目と操作感を実現できます。
このガイドを最後まで読むと、以下の状態が実現できます。
- WhiteSurテーマでmacOSそっくりのウィンドウデザインを適用
- PlankドックでmacOS風のDockを表示
- GNOME拡張機能でメニューバーやワークスペース操作をmacOS風に統一
実際にUbuntu 24.04 LTS環境でこの手順をすべて実行・検証しています。

前提条件
このガイドを進める前に、以下の環境・知識が必要です。
- OS: Ubuntu 24.04 LTS(Noble Numbat)※22.04 LTSでも動作確認済み
- デスクトップ環境: GNOME 46(Ubuntu 24.04標準)
- 前提知識: ターミナルの基本操作(
sudoコマンドの使い方)
# Ubuntuのバージョン確認
lsb_release -a
# GNOMEのバージョン確認
gnome-shell --version
# 期待する出力: GNOME Shell 46.x
注意: Ubuntu Server(デスクトップなし)では動作しません。Ubuntu Desktopがインストールされている環境が必要です。
全体の流れ
このガイドは以下の5ステップで構成されています。
- 必要なツールのインストール — 約5分
- WhiteSurテーマの適用 — 約10分
- Plankドックの設定 — 約5分
- GNOME拡張機能の設定 — 約10分
- アイコンテーマとフォントの調整 — 約5分

ステップ1: 必要なツールのインストール
GNOMEのテーマやカスタマイズを管理するために、gnome-tweaksとgnome-shell-extensionsをインストールします。これらはGNOMEデスクトップの外観・挙動を細かく制御するための公式ツールです。
GNOME Tweaksのインストール
sudo apt update
sudo apt install gnome-tweaks gnome-shell-extensions git curl -y
User Themesの有効化
GNOMEシェル自体(トップバーなど)にカスタムテーマを適用するには、「User Themes」拡張機能が必要です。
# gnome-extensions コマンドで確認
gnome-extensions list | grep user-theme
出力がない場合は、後述のステップ4でExtension Managerからインストールします。
よくあるミス:
gnome-tweaksを起動しても「シェルテーマ」の項目がグレーアウトしている場合は、User Themes拡張機能が有効になっていません。ステップ4を先に実施してから戻ってきてください。
✅ ステップ1完了の確認: gnome-tweaksコマンドを実行して、GNOME Tweaksウィンドウが開けばOKです。
ステップ2: WhiteSurテーマの適用
WhiteSurは、macOS Big Sur/Venturaのデザインを忠実に再現したGTKテーマです。GitHubで活発にメンテナンスされており、Ubuntu 24.04 LTSに対応しています。
WhiteSurテーマのダウンロード
# ホームディレクトリに移動してクローン
cd ~
git clone https://github.com/vinceliuice/WhiteSur-gtk-theme.git --depth=1
cd WhiteSur-gtk-theme
インストールスクリプトの実行
# 標準インストール(ライトテーマ)
./install.sh
# ダークテーマも一緒にインストールする場合
./install.sh -c dark
# ライト・ダーク両方インストールする場合
./install.sh -c light -c dark
主なオプション:
| オプション | 説明 |
|---|---|
-c dark |
ダークカラーバリアントをインストール |
-t [color] |
アクセントカラー変更(blue/purple/pink/red/orange/yellow/green/grey/all) |
-o solid |
不透明バリアントをインストール |
-r, --remove |
インストール済みWhiteSurテーマを削除 |
テーマの適用
インストール後、GNOME Tweaksでテーマを変更します。
gnome-tweaks
GNOME Tweaksを開いたら:
1. 左メニューから「外観」を選択
2. 「アプリケーション」のドロップダウンで WhiteSur-Light(または WhiteSur-Dark)を選択
3. 「シェル」のドロップダウンでも同じテーマを選択(User Themes有効時)

✅ ステップ2完了の確認: ウィンドウのタイトルバーがmacOSスタイル(角丸、信号機ボタン)に変化していれば成功です。
ステップ3: Plankドックの設定
macOSの最大の特徴のひとつが画面下部のDockです。UbuntuではPlankというドックアプリを使って、macOSそっくりのDockを再現できます。
Plankのインストール
sudo apt install plank -y
Plankの起動と自動起動設定
# Plankを起動
plank &
# 自動起動の設定(ログイン時に自動起動)
mkdir -p ~/.config/autostart
cat > ~/.config/autostart/plank.desktop << 'EOF'
[Desktop Entry]
Type=Application
Name=Plank
Exec=plank
Hidden=false
NoDisplay=false
X-GNOME-Autostart-enabled=true
EOF
PlankのmacOSスタイル設定
Plankを起動した状態でDock上をCtrlキーを押しながら右クリックすると設定画面が開きます。
推奨設定:
– テーマ: Mac または Transparent
– アイコンサイズ: 48px(macOS標準に近い)
– アイコン拡大効果(Zoom): 有効、最大150%
– 位置: 下部

よくあるミス: UbuntuデフォルトのDock(Ubuntu Dock)と競合することがあります。GNOME Tweaksの「拡張機能」からUbuntu Dockを無効にしてからPlankを使うと見た目がすっきりします。
Ubuntu Dockを非表示にする
# Ubuntu Dockの拡張機能を無効化
gnome-extensions disable ubuntu-dock@ubuntu.com
✅ ステップ3完了の確認: 画面下部にPlankドックが表示され、アイコンにマウスを乗せると拡大されればOKです。
ステップ4: GNOME拡張機能の設定
GNOME拡張機能を使って、トップバーやワークスペースの動作をmacOSに近づけます。
Extension Managerのインストール
# Extension Manager(GUIで拡張機能を管理できるツール)
sudo apt install gnome-shell-extension-manager -y
または以下のコマンドでも可:
flatpak install flathub com.mattjakeman.ExtensionManager
推奨GNOME拡張機能一覧
Extension Managerを開いて「参照」タブから以下の拡張機能を検索してインストールします。
1. User Themes
テーマをカスタムGNOMEシェルテーマに変更するための必須拡張機能です。WhiteSurのシェルテーマを適用するために必要です。
2. Dash to Dock(任意)
UbuntuのデフォルトDockをmacOS風のDockに変換します。Plankの代替として使えます。Extension Managerの「参照」タブで「Dash to Dock」を検索してインストールします。
3. GSConnect
macOSの「ユニバーサルクリップボード」に近い機能を提供します。AndroidスマートフォンとUbuntuを連携させて、クリップボード共有や通知共有が可能になります。
4. AppIndicator and KStatusNotifierItem Support
トレイアイコンをmacOSのメニューバーアイコンのように表示するために必要です。
# 一括インストールコマンド(すでにExtension Managerでインストール済みの場合は不要)
gnome-extensions enable user-theme@gnome-shell-extensions.gcampax.github.com

✅ ステップ4完了の確認: GNOME Tweaksの「外観」→「シェルテーマ」でWhiteSurが選択できるようになっていればOKです。
ステップ5: アイコンテーマとフォントの調整
テーマとドックを設定したら、アイコンとフォントを調整してmacOSらしさをさらに高めます。
WhiteSurアイコンテーマのインストール
cd ~
git clone https://github.com/vinceliuice/WhiteSur-icon-theme.git --depth=1
cd WhiteSur-icon-theme
./install.sh
カーソルテーマのインストール
macOS風のカーソルを使いたい場合は、McMojaveカーソルテーマがおすすめです。
cd ~
git clone https://github.com/vinceliuice/McMojave-cursors.git --depth=1
cd McMojave-cursors
./install.sh
フォントの設定
macOSはサンフランシスコフォントを使用していますが、UbuntuではCantarell(GNOME標準)またはNoto Sans JPが近い雰囲気を出せます。ライセンスが必要なサンフランシスコフォントの代替として、Inter Fontも人気です。
# Interフォントのインストール
sudo apt install fonts-inter -y
GNOME Tweaksの「フォント」セクションで以下のように設定します:
| 項目 | 推奨設定 |
|---|---|
| インターフェーステキスト | Inter Regular 11 |
| ドキュメントテキスト | Inter Regular 11 |
| 等幅テキスト | Source Code Pro Regular 13 |
| レガシーウィンドウタイトル | Inter Bold 11 |
![]()
✅ ステップ5完了の確認: デスクトップ全体がmacOSに近い外観になっていれば完了です。
応用編
壁紙をmacOS風に変更
macOSの壁紙に近いデザインの壁紙を入手して設定することで、さらにmacOSらしい雰囲気になります。
# WhiteSurテーマに付属の壁紙を確認
ls ~/WhiteSur-gtk-theme/
# 壁紙ディレクトリを確認(一部のバリアントに含まれる)
ls ~/.local/share/backgrounds/
右クリック→「壁紙の変更」からお好みの壁紙を設定してください。
FirefoxをmacOS風にする
WhiteSurテーマをインストール後、tweaks.shスクリプトを使ってFirefoxにもmacOSスタイルのテーマを適用できます。
cd ~/WhiteSur-gtk-theme
./tweaks.sh --firefox
Flatpakアプリへのテーマ適用も同様にtweaks.shで行います:
./tweaks.sh --flatpak
ターミナルのカスタマイズ
macOSのTerminal.appに近い見た目にしたい場合は、GNOMEターミナルのプロファイルを変更します。
# 背景色を白/ライトグレーに変更するにはGNOMEターミナルの「設定」→「プロファイル」から行います
# または、Alacrittyをインストールしてカスタムテーマを適用する方法もあります
sudo apt install alacritty -y
トラブルシュート
| 症状 | 原因 | 解決策 |
|---|---|---|
| ウィンドウのタイトルバーが変わらない | GTKテーマが正しく適用されていない | GNOME Tweaksで「アプリケーション」テーマを再選択する |
| シェルテーマの項目がグレーアウトしている | User Themes拡張機能が無効 | Extension ManagerでUser Themesを有効にする |
| Plankが起動しない | 依存パッケージ不足 | sudo apt install --fix-broken を実行 |
| WhiteSurインストール後にアプリが崩れる | テーマの互換性問題 | ./install.sh --remove でアンインストール後、再インストール |
| アイコンが変わらない | アイコンテーマのキャッシュが古い | gtk-update-icon-cache -f ~/.local/share/icons/* を実行 |
| ログアウト後にPlankが起動しない | 自動起動設定が不完全 | ~/.config/autostart/plank.desktop の内容を確認する |
まとめ
このガイドでは、Ubuntu 24.04 LTSのデスクトップをmacOS風にカスタマイズする方法を解説しました。
- ステップ1: GNOME TweaksとExtension Managerをインストール
- ステップ2: WhiteSurテーマでウィンドウデザインをmacOS風に変更
- ステップ3: Plankドックでmacのようなアプリランチャーを実現
- ステップ4: GNOME拡張機能でメニューバーやDockの動作を調整
- ステップ5: アイコンテーマとフォントでさらに細部を整える
これらを組み合わせることで、Ubuntu環境でありながらmacOSに非常に近い見た目と操作感が実現できます。各コンポーネントはモジュール式なので、気に入らない部分だけを元に戻したり、別のテーマに差し替えたりすることも簡単です。
次のステップとして、GNOME拡張機能の「Night Light」を有効にしてmacOSのTrue Tone風の画面色温度自動調整機能を追加したり、gsettingsコマンドを使ってさらに細かい挙動をカスタマイズしてみてください。


