agkan + agkan-skills + Claude Code /loop で、開発者の仕事が「タスク積み&レビューだけ」になる話


「AIに仕事を任せる」という話は何年も前からあった。しかし実際にやってみると、結局は人間がプロンプトを打ち込んで、出力をコピペして、次の指示を与える——という繰り返しになる。これは「支援を受けている」だけで、「任せている」とは言いがたい。

本当に「任せる」とはどういうことか。その答えが、agkan × agkan-skills × Claude Code /loop の組み合わせにある。

この構成を使い始めてから、gendosu.jpの運用における人間の作業が劇的に変わった。SEO分析、記事リライト候補の特定、キーワードリサーチ——これらがすべて自動で回り続けている。人間がやることは、タスクを積むこととレビューすることだけだ。

この記事では、その仕組みの全体像と、実際の動かし方を具体的に解説する。

agkan・agkan-skills・Claude Code /loopの連携フローを示すアーキテクチャ図


背景:なぜ「ループ型AI自動化」が今重要なのか

「一発プロンプト」時代の限界

Claude CodeやGitHub Copilotが普及した2024〜2025年、多くのエンジニアが「AIを使って生産性が上がった」と感じた。確かに上がった。しかしそれは「補助輪付きの自転車」の段階だ。

AIが一度に処理できるコンテキスト量は増えた。しかし「継続的に・自律的に・繰り返し」動き続ける仕組みを持っているツールはまだ少ない。人間が起動し、人間が次の指示を出し、人間が結果を確認する——このフローは本質的に変わっていない。

転換点:スケジュール実行とタスクキュー

2025年後半から2026年にかけて、変化の兆しが出てきた。

変化・出来事
2024年 Claude CodeがAIコーディング支援として普及。「一発プロンプト型」が主流
2025年 agkanリリース。AI協働に最適化されたCLIタスク管理が登場
2026年初頭 Claude Code /loop(スケジュールタスク機能)が登場。自律ループが現実に

この3つのタイムラインが重なったのが、今まさに起きていることだ。

agkan・agkan-skillsとClaude Code /loopを組み合わせた自律ループのフロー図


論点1:agkanとは何か、なぜAI協働に向いているのか

agkan は TypeScript製のCLIタスク管理ツールだ。SQLiteをローカルストレージとして使い、タスクのステータス・親子関係・依存・タグを一元管理する。

一言で言うと「人間とAIが共有するカンバンボード」だ。

npm install -g agkan

agkanのステータス管理

agkanは7段階のステータスでタスクを管理する:

icebox → backlog → ready → in_progress → review → done → closed

この流れが重要なのは、AIがCLIコマンドでステータスを自律的に更新できる点だ。

# タスク一覧をJSON形式で取得(AIが読み込みやすい形式)
agkan list --status ready --json

# タスクを着手中に更新
agkan update <task-id> --status in_progress

# 作業完了
agkan update <task-id> --status review

--json フラグで出力するとClaude Codeがそのままパースして次のアクションを決定できる。これが「AIが自律的に動ける」理由だ。

なぜ既存のタスク管理ツールではダメか

NotionやJiraでもタスク管理はできる。しかしこれらはMCPなどの特別な連携設定が必要で、CLIから即座に読み書きするには冗長な設定が必要になる。

agkanはそもそも「AIエージェントが読み書きすること」を前提に設計されている。このコンセプトの差が、実際の自動化フローでは大きく効いてくる。

筆者の経験: Notionタスクとagkanを両方試したが、agkanの方がAIエージェントとの連携コードが圧倒的にシンプルになった。Claude Codeのスキルファイル内でタスク取得から更新まで5行以内で書ける。


論点2:agkan-skillsとスキル定義の考え方

agkan-skills は、agkanに渡すスキル定義を集めたリポジトリだ。

スキルとは「Claude Codeに何をやらせるかの定義ファイル」だ。Markdownベースで記述し、Claude Codeがこれを読んで自律的に作業を進める。

スキルファイルの構成例

# daily-seo-analysis

## 概要
毎日のSEOデータ(GA4 + Search Console)を収集・分析し、改善提案タスクをagkanに積む。

## 手順

### 1. データ収集
- GA4からページビュー・直帰率を取得
- Search Consoleから検索順位・クリック率を取得

### 2. 分析
- 前日比で大きく下落したページを特定
- クリック率が低いが上位表示されているページを特定

### 3. タスク生成
agkanにリライト候補タスクを追加する

このスキルファイルをagkan-skillsリポジトリで管理し、バージョン管理する。「スキルを改善する」というのは、このMarkdownを書き直してコミットするだけだ。

スキルの設計思想

重要なのは、スキルは「やり方の手順書」ではなく「何を達成するかの意図書」として書くことだ。

細かい実装(どのAPIを叩くか、どのファイルに保存するか)はClaude Codeが判断する。スキルには「なぜやるか」「何を達成するか」「どう判断するか」を書けばよい。

実装の詳細まで書くと、環境が変わったときにスキルの書き直しが必要になる。意図を書いておけば、Claude Codeが状況に応じて最適な方法を選ぶ。


論点3:Claude Code /loop で「人が起動しない世界」を実現する

Claude Codeのスケジュールタスク機能、通称 /loop は、2026年に登場した。

/loop を使うと、Claude Codeが指定した間隔やトリガーで自律的にタスクを繰り返し実行する。プロンプトがアイドル状態のとき(人間が操作していないとき)に、バックグラウンドで動き続ける。

/loop の動作イメージ

/loop interval=daily skill=daily-seo-analysis

これを設定しておくと、毎日決まった時間にSEO分析スキルが自動で走る。人間が起動する必要はない。

/loop でできること・できないこと

できること:
– 定期的なデータ収集・分析・レポート生成
– 低スコアコンテンツの自動特定とリライト案生成
– アフィリエイトリンク切れの監視
– Google Trendsからのネタ候補自動収集
– agkanのタスクキューを消化し続けること

注意点:
/loop はプロンプトがアイドルのときのみ実行される(作業中は止まる)
– スキルが長時間かかる場合、タイムアウトの設定が重要
– 外部APIのレート制限を意識したスキル設計が必要

メリット側の意見:
– 人間の作業時間に関係なく24時間動ける
– 起動し忘れがなくなる
– スケジュール管理コストがゼロになる

懸念側の意見:
– スキルに誤りがあると誤った処理が繰り返される
– 外部APIコストが積み上がる可能性がある
– 何が動いているか把握しにくくなる

筆者の見解: 懸念はすべて「スキルの品質管理」に帰着する。スキルをgitで管理し、変更前にレビューする習慣をつければ、リスクは許容範囲に収まる。むしろ「手動で毎日実行し忘れる」コストの方が、長期的には大きい。


実際の現場ではどうか

ケーススタディ: gendosu.jpのSEO自動化運用

状況・背景:
gendosu.jpは技術ブログで、記事数が増えるにつれて「どの記事をリライトすべきか」「どんなキーワードで新記事を書くべきか」の判断が煩雑になっていた。手動でGA4とSearch Consoleを確認し、分析し、タスクを作る作業に週2〜3時間かかっていた。

取った行動・判断:
以下のスキルを /loop に登録した。

スキル名 実行タイミング 内容
daily-analysis 毎日 GA4/Search ConsoleデータをSQLiteに集計
daily-new-proposal 毎日 Google Trendsからネタ候補を提案し、agkanにタスクを積む
rewrite-low-score 週次 低スコア記事を自動特定してリライト案を生成
daily-send-sitemap 毎日(公開後) サイトマップをSearch Consoleに送信

結果・学び:
分析・タスク生成の時間がほぼゼロになった。人間がやることは「agkanのタスクキューを見てレビューする」だけになった。

重要な発見は、スキルの品質が上がるにつれて、人間のレビュー時間も短縮されることだ。最初は「このリライト案は的外れだな」とフィードバックしてスキルを改善する。数サイクル回すと、精度が上がって確認がほとんど不要になる。


3つを組み合わせたフルループの構成

全体の流れを整理すると以下のようになる:

人間(タスク積む)
    ↓
agkan-skills(スキル定義をgitで管理)
    ↓
agkan(CLIでタスクキューを管理)
    ↓
Claude Code /loop(自律ループで実行)
    ↓
成果物(記事・レポート・PR・分析データ)
    ↓
人間(レビューのみ)
    ↓
(改善があればスキルをcommit)

このループの中で「人間が操作する」ポイントは2箇所だけだ:

  1. タスクをスキルとして積む(やりたいことをMarkdownで書いてcommit)
  2. 成果物をレビューする(生成された記事・PR・レポートを確認)

それ以外はすべて自動で回る。夜中にも回る。週末にも回る。

さらに先の可能性

現在検証中のアプローチとして、「考えるべき事柄を与えるプロンプトだけ出して、AIが自ら改善するタスクを生み出す」というループもある。

たとえば「パフォーマンスが悪い記事の傾向を分析して、改善スキルを提案せよ」というメタスキルを設定する。すると Claude Codeが「こういうスキルが必要だ」という提案タスクをagkanに積む。人間はその提案をレビューしてスキルを実装するかどうか判断するだけになる。

エンジニアの役割が「何をやるか設計する人」と「結果を判断する人」に純化されていく。


このパラダイムのこれから

「AIに任せきる」ことへの抵抗感は、まだ多くのエンジニアの中にある。「自分でコードを書かないとスキルが落ちる」「AIが間違えたらどうするか」という懸念だ。

しかしこの懸念は、20年前の「自動テストを導入したら手作業での確認スキルが落ちる」という懸念と本質的に同じだ。自動テストは「確認する能力」を奪わなかった。むしろより高次の「テスト設計能力」の重要性を高めた。

agkan × agkan-skills × /loop の構成も同様だ。「実装する能力」を奪うのではなく、「何を実装すべきか設計する能力」「出力を評価する能力」の重要性を高める方向に向かっている。

AIエージェントの自律ループが当たり前になる世界では、スキルの設計力とレビュー能力こそが差別化要因になる。コードを書く速さではなく、AIに何をやらせるかを定義する力が問われる。


まとめ

agkan × agkan-skills × Claude Code /loop の組み合わせについて考察した。

  • agkanの役割: AI協働に最適化されたCLIタスク管理。--json 出力とシンプルなCLIでAIが自律的にタスクを読み書きできる
  • agkan-skillsの役割: スキル定義をgitで管理。「何を達成するか」の意図書として書くことで、実装の詳細変化に強くなる
  • /loop の役割: 人間が起動しなくても24時間自律的にスキルを実行し続ける。人間の操作ポイントをタスク積みとレビューの2点のみに絞る

まず npm install -g agkan して、agkan-skillsをforkするところから始めてほしい。最初のスキルを /loop で動かした瞬間、このパラダイムシフトの感覚は体で理解できる。



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Posted by GENDOSU